一般的に、尿酸値が7.0mg/dLを越えた状態からを「高尿酸血症」と診断します。
ですが、現在の尿酸値に加え、症状の有無によっても高尿酸血症の治療方針は異なっていきます。
本記事では、現在の尿酸値および症状ごとによる高尿酸血症の治療方針について解説を行っていきます。
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目次
尿酸値の数値に基づく高尿酸血症の状態と症状の変化
尿酸値の数値 | 健康状態 | 今後、予想される症状 |
9.0 | 高尿酸血症 | いつ痛風発作が起きてもおかしくない |
8.0 | 高尿酸血症 | 痛風発作を起こす可能性が極めて高い |
7.0 | 高尿酸血症 | 痛風発作を起こす可能性がある |
6.0 | 正常 | 痛風発作の心配はまず必要無い |
高尿酸血症の治療方針
高尿酸血症の治療方針は、
- 現在の尿酸値
- 痛風発作の有無
- 合併症(尿路結石、腎障害、高血圧など)の有無
これら3点の状態によって、以下の様に分類されていきます。
血清尿酸値が7.0mg/dL~7.9mg/dL
痛風関節炎(発作)、痛風結節がある ⇒ 薬物治療+生活習慣の改善
痛風関節炎(発作)、痛風結節はない ⇒ 生活習慣の改善
血清尿酸値が8.0mg/dL~7.9mg/dL
痛風関節炎(発作)、痛風結節がある ⇒ 薬物治療+生活習慣の改善
痛風関節炎(発作)、痛風結節はない ⇒ 生活習慣の改善
合併症(尿路結石、腎障害、高血圧など)がある ⇒ 薬物治療+生活習慣の改善
血清尿酸値が9.0mg/dL~
痛風関節炎、合併症の有無に関係無く、薬物治療+生活習慣の改善
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高尿酸血症の治療を始める目安、基準値
尿酸値が7.0mg/dLを越えた状態を「高尿酸血症」と診断しますが、同数値を越えたからといって、即治療が必要となる訳ではありません。
現在の尿酸値に加えて、痛風関節炎(発作)の有無、合併症(尿路結石、腎障害、高血圧など)の有無によって、治療方針は異なります。
治療方針が分類される理由として、高尿酸血症となる原因の大半が、生活習慣にある事が挙げられます。
高尿酸血症共に、痛風発作を起こしている場合は、再発の危険性がある為、薬物による治療が進められますが、発作が無い高尿酸血症の場合は、まず生活習慣の改善から治療を初めていきます。
生活習慣を見直し、尿酸値が下がり、維持していくことが出来れば問題ありませんが、
・痛風発作を起こした
・合併症があり、尿酸値が8.0mg/dLを越える
・尿酸値が9.0mg/dLを越える
のいずれかに該当した場合は、薬物による高尿酸血症の治療が進められます。
対し、
・合併症があるが、尿酸値は8.0mg/dL以下
・合併症が無く、尿酸値は9.0mg/dL以下
の場合は、生活習慣の改善から行っていき、薬物による治療は行わないのが一般的です。
いずれにせよ、生活習慣の改善が、高尿酸血症を治療していく基本となります。
高尿酸血症の薬物治療を開始するタイミングは?
高尿酸血症の薬物治療が開始されるのは、痛風発作の有無が1つの基準とされています。
ただし、初めて痛風発作を起こした人の場合は、発作の症状、痛みが落ち着いた後からでなければ薬の投与は行われません。
発作の症状が出ている間に、尿酸値降下薬の投与を行ってしまうと、発作が再発する危険性があるため、一般的には痛みが沈静化してから2週間後より、薬の服用を行っていきます。
※ 高尿酸治療時に処方される薬の主な効果、副作用等についてはこちらをご覧下さい ⇒
なお、高尿酸血症治療の目標は、尿酸値を下げることではなく、その状態を維持していき、合併症を防ぐこととなります。
投薬による治療を進めれば、投薬前と比較し、当然ながら尿酸値は下がっていきます。
ですが、投薬を止めてしまったと同時に、尿酸値が上昇してしまっては、根本的な治療になりません。
投薬による補助で尿酸値を下げつつ、その状態を維持できる生活改善こそが、高尿酸血症の本当の治療となります。
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