医者からの痛風診断とプリン体禁止令 ~ はじめての痛風 その2

前日の深夜から感じた足の異変。

僅かな異変が起床と共に痛みへと変わり、正午前には激痛にまで成長。

 

これが世に聞く『痛風』なのか・・・?

と、痛みを堪えながらも出張先へ向かうべく飛行機へ搭乗した私。

3時間のフライトの末に一体どうなる!?初めての痛風(仮)よ・・・

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正午 開放感0の機内でもだえ苦しむ3時間のフライト

痛みを堪えながら、足を引きずりつつ、鬼の形相を浮かべながらも飛行機の搭乗席へ。

激痛ほとばしる右足には極力、体重を掛けない様に注意を払いながら席へと滑り込むことに成功。

今より痛みが増すのかどうかすら分らない、初めての痛風(仮)を抱えつつ、3時間のフライトという名の軟禁地獄が始まろうとしていました。

 

朝の発症から、この時点で4時間が経過。

これまで痛みと共に過ごしてきた、僅かな経験から学んだこととして、

・歩くと痛みが激しくなる(そりゃ当然だ)

・足を上げておくと楽になる(飛行機内じゃまず無理)

・靴を脱いだ方が楽(やはり飛行機内では無理)

・立ち座りは極力しない方が良い(トイレにも行かない方が無難)

これらの「痛風の痛みが、多少楽になる所作」に気付く事が出来ました。

 

しかし、これらはあくまでバス移動~空港での飛行機待ちをしていた間の話。

これより3時間のフライト中は、どれも実現不可能な所作ばかり。

歩き回る必要こそ無いものの、靴を脱いで足を伸ばす事も出来ず、3時間もの間、激痛にもだえ苦しむしか無いのです。

 

そうこうする間に、飛行機は離陸を開始。

離陸と共に揺れる機内・・・・振動の数だけ、針で刺される様な激痛の波状攻撃が到来。

今が痛みのピークであることを願いつつ、痛みを噛みしめる時を過ごすものとなりました。

ちなみに、このとき学んだ教訓。

「痛風の痛みが出ている時、絶対に飛行機へ乗ってはいけません」

午後3:00 空港に到着、タクシーへ乗り込みいざ病院へ

フライト前に、機内での気晴らしになれば・・・と、搭乗前にダウンロードしておいた「痛風のことが分る本」を読む事、3時間。

途中、機内を回るCAさんから「ご気分悪いですか?」と質問されること4回。

搭乗中、飲み物を勧められるも、トイレに行く行為が激しい痛みを伴うことから、飲み物すらやんわり拒否する始末。

引きつった笑顔で「多分、大丈夫です…」と返事をするも、恐らくCAさん達の中では、私のことが注意すべき議案として挙がっていたことでしょう。

 

とにかく痛みを我慢する以外に方法が無い3時間のフライト。

その間に読んだ「痛風のことが分る本」によると、今の症状が十中八九、痛風であることが確認出来ました。

また痛風の治療は

・整形外科

・内科

のいずれでも大丈夫である事までチェック完了。

 

事前に調べておいた情報によると、降り立った先の空港近くに整形外科が2軒あるとのこと。

空港に着くと同時に、まずはその整形外科の診療時間を調べて見ると・・・どちらも午後が休診。

仕方なしに整形外科を諦め、今度は内科を検索する事に。

ホテルへと向かう道中に内科を発見するや否や、タクシーに乗り込み指示を出しいざ出発。

 

内科へと向かう道中、運転手さんより「ご気分悪いですか?」と心配の声を掛けられ

引きつった笑顔で「大丈夫です、多分・・・痛風ですから…」

と返答するや否や、運転手さんは、

「なんだw 痛風かwww」

とでも言いたげな笑みを浮かべ、そこにはお客さんに同情する顔は見受けられませんでした。。。

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午後4:30 診察時間5秒 下された診断は・・・

タクシーの運転手にさえ、小馬鹿にした様な表情を浮かべられながら、ようやく内科へ到着。

田舎の病院、しかも診療終了間際とあってか、他に患者さんの姿は無し。

 

足を引きずりながら、冷や汗を流し必死の形相を浮かべる私を見るや否や、看護師さんが飛び出してきました。

「大丈夫ですか? どこが痛みますか??」

急患が来た!!とでも言いたげな焦った表情で私を支えるも、

「足の親指が、朝から痛んで・・・痛風かも知れません」

と伝えたと同時に、その表情は安堵の笑顔へ。

 

「急患には違いないけど、痛風かw」とでも言いたげな笑顔を振りまきながら、

「分りましたーすぐに診察できますよー」「痛いと思うけど、靴と靴下、脱いでみましょうねー」

とのふた言を残し、診察室へ。

 

看護師さんの指示にしたがい、問診票を書き終えて靴下を脱・・・・

脱げない(焦)

 

飛行機の搭乗中には全く気付かなかったのですが、痛風(仮)発症から約10時間

私の右足は、見たこともないまでに腫れ上がっているのです。

靴下を脱ぐ以前に、まず靴を脱ぐことが出来ない始末。

ひとまず、靴紐をゆるめながらユックリと足を抜き、なんとか成功。

(当然この間も、足がいずれか異物に触れる度、身の毛もよだつ様な激痛が走っています)

 

続いては、靴下。

靴以上に私の腫れた足を拘束しているこの靴下、果たして脱ぐことが出来るのだろうか?

靴下に手を掛け、少しズラすだけでも、アイスピックで刺される様な激痛が私の患部を連打。

少しずつユックリ脱いだ所で、痛みは長引くだけ。

ここは男らしく、一瞬に全てを賭けようと決意し、一気に脱がしに掛かります。

「南無三!!」

と、心の中で声を大にして叫ぶものの、想像を絶する痛みが襲来!!

靴と靴下、これらを脱ぐ僅か1分の間に、私の顔、頭、背中は冷や汗にまみれるものとなりました。

 

診察を受ける準備が完了し、診察室へ。

ソフトボール程に腫れ上がった、私の足の親指を見るや否や先生は、

「ん、痛風で間違いなさそうですね」

「ビールは止めましょうね、あと枝豆も」

との事。

 

え、、、枝豆がダメって初耳なんだけど?

ていうか、それよりもっと検査することとか、問診すること無いの?

と疑問を持ち、検査の必要性などについて質問をしてみるも

「検査はね、1週間してからじゃないと意味ないのよ」

「なので、とりあえず痛み止め出すから、それ飲んで痛みが治まるのを待ちましょう」

「あと、枝豆もプリン体多いからダメよ。それと豆腐とか、とにかく大豆系はダメ」

との話。

 

加えて、私が近隣住人では無い観光客であることにも気付き

「検査も1週間後じゃ無いと出来ないから、自宅に帰ってから近所の病院に行くと良いね」

との指示と共に、痛み止めと湿布を処方されるものとなりました。

午後6:00 ホテルへ到着し、痛み止めの服用

内科でタクシーを呼んで貰い、車中で痛み止めを飲みつつ、ホテルへ。

当然こちらの車内でも、痛みにうずくまり、顔をしかめている私に気付いた運転手さんより

「ご気分悪いですか?」と質問されるものの、少し食い気味になりながら

「今、病院で痛風と診断されました、とにかく足が痛いだけですので」

 

と、伝えた私に、運転手さんは返す刀で

「あーら大変だ(笑) ビール飲めませんね(爆)」

とのやりとりを。

 

なんだこの町は。

飛行機のCAに始まり、人の心配をしたかと思いきや、それが「痛風」だと知ると

今度は笑顔を浮かべながら、ビールの心配をしてくる人ばかり。

 

・・・・ん、違うな

この町の住人だから、痛風を小馬鹿にしている訳じゃ無い。

そもそも痛風自体が、その昔には贅沢病などと呼ばれていた病気だ。

この町の住人に限った話じゃ無く、日本国民全体が痛風および痛風患者を小馬鹿にしているのだ。

 

いざその苦しみを知ったからこそ、今でこそ私は痛風を患う方に親身になって話を聞ける様になりました。

でも、これが痛風を患う前だったら・・・

この運転手さんや、先ほどの看護師さん達と同様に

「あービール飲めませんねー(笑)」

と、笑顔を返していたに違いない。

 

そうか・・・これが痛風なのか・・・なんて同情されない病気なんだ。

 

自分が「痛風」という重い十字架を背負った現実を受け止めつつ、ホテルへと到着。

足を引きずり痛みを堪える私の表情に、ホテルの従業員も幾度となく

「ご気分悪いですか?」と尋ねてくるものの、正直このやり取りにもいい加減飽きてきた。

 

従業員には笑顔で応対し、ようやく部屋に到着。

と、同時にベッドでなだれ込み、ようやく足を伸ばせる場に辿り着くことが出来ました。

 

その3「痛み止めの服用から3時間、そして翌日」へ続く ⇒

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