高尿酸血症を治療する為の生活改善、習慣の見直し

痛風発作を起こす原因である高尿酸血症。

尿酸値が上昇してしまう根本的な原因はハッキリしないものの、その要因の多くは生活習慣にあるものとされています。

 

薬による治療で、尿酸値を下げることは出来ますが、根本となる生活習慣を改善しない限り、投薬を止めた途端に尿酸値は再度上昇します。

本記事では、高尿酸血症の根本的な治療となる、生活改善や見直すべき習慣について解説していきます。

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尿酸値が上昇する原因となる生活習慣とは

高尿酸血症を患う人の多くが抱えている問題点には、共通する生活習慣があるわ。

中でも、よく見かけるのが

  • 食生活
  • 運動不足

この2つよ。

詳しくは、下記ページでも解説しているので、ここでは要点のみを解説するわ。

■ 詳細はこちら:

食生活の問題点

高尿酸血症が増えだしたのは昭和40年以降となるのですが、食生活が欧米化したことが原因として考えられています。

上記と時を同じくして増えだしたのが肥満、メタボリックシンドロームとなります。

 

肥満の中でも、特に内臓脂肪型肥満(内臓周りに脂肪が多く付くタイプの肥満)は、高尿酸血症の原因の1つとされており、更には動脈硬化を進行させ、脳や心臓、血管障害のリスクも高めていきます。

そこで高尿酸血症の治療に於いても、肥満を助長する食生活の見直しが重要となります。

肥満の原因は、摂取カロリーに対する、消費カロリーの少なさが原因となりますので、高カロリー食や過食には注意が必要です。

 

また、動物性脂肪の多い食品の摂取に偏っていることや、アルコールの過剰摂取にも注意が必要です。

動物性脂肪の多い食品は、中性脂肪やLDLコレステロールを高め、動脈硬化を進行させます。

アルコール飲料は、カロリーの高さももちろんの事、アルコールを分解することによって尿酸が生成される為、高尿酸血症の原因を生み出しやすくなります

 

対し、昔から高尿酸血症の天敵とされてきた「プリン体」についてですが、近年ではプリン体の摂取について、それほど神経を尖らせなくなっています。

■ 詳細はこちら:

尿酸の働きって一体なに? 高尿酸血症の原因はプリン体?それとも尿酸?
「そもそも痛風って? 高尿酸血症の原因、尿酸値が高いとどうなる?⇒」では、 ・痛風発作が起きる原因には高尿酸血症がある ・高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が7.0mg
2017-12-05 22:46

 

かつては、プリン体の含有量が多いことから、「痛風時には食べてはいけない」とされていた、魚や大豆を使った加工品なども、

・魚 → DHAやEPAといった「不飽和脂肪酸」を多く含むことから、中性脂肪やLDLコレステロールの低下に効果がある

・大豆類 → 低カロリーながら栄養素が豊富な上、尿をアルカリ化し、尿酸の排泄を促進させる

などといった効果が見直されており、高尿酸血症時にはむしろ摂取を勧める様になっています。

運動不足の解消

食生活同様、肥満の原因となるのが運動不足です。

前述した通り、肥満の原因は摂取カロリーに対する、消費カロリーの少なさとなるのですが、消費カロリーは大きく分けて

・運動による消費

・基礎代謝による消費

この2つに分けられます。

 

運動によるカロリーの消費とは、読んでそのまま、体を動かすことによって消費されるカロリー量を指します。

対し基礎代謝とは、生きていくために必要な生命活動、内臓を動かしたり、血液を循環して体温を維持するなどに使われるエネルギーを指します。

 

運動によって消費されるカロリー量自体は決して多く無いものの、体を動かすことによって基礎代謝を高めることが重要なのです。

基礎代謝で消費されるカロリー量は、筋肉量が減ることによって消費量も低下し、さらに加齢によっても低下していきます。

この様に、徐々に低下する基礎代謝を高める上でも、適度な運動を行うことが重要となります。

 

ただし、高尿酸血症の場合は「過度な運動」には注意が必要です。

運動強度が高い筋トレや、激しいスポーツを行ってしまうと、筋破壊(いわゆる筋肉痛)が行われるのですが、この際には尿酸が生成されてしまいます。

また、筋疲労が起きると疲労物質となる乳酸が生成されるのですが、乳酸は尿酸の排泄を抑制してしまうのです。

 

上記の理由から、激しい運動はお勧め出来ませんが、ウォーキングやジョギングの様に、軽く汗を掻く程度の有酸素運動を取り入れることで、運動不足の解消には十分な効果が見られます。

近場を移動する際には、車や自転車を使わず、ウォーキングやジョギングに切り替えるなど、身近な生活習慣から変えてみましょう。

仕事や生活上のストレス

食生活、運動不足と共に、多くの生活習慣病や高尿酸血症の引き金とされているのが、ストレスです。

特に高尿酸血症では、ストレスによる自律神経の乱れが尿酸の産生を促進させると共に、排泄力を低下させるとも考えられています。

 

とは言え、運動や食事の様に、「気を遣った」からといって、ストレスを避けることは難しくもあります。

ストレスの感じ方には個人差もありますので、本人に自覚症状が無いながら、心身ではストレス疲労を抱えている場合もあります。

 

また、ストレスにも様々な種類があり、多くの人が感じている

・精神的ストレス(人間関係や、仕事、家庭で起こる問題、不安、緊張)

・生理的ストレス(病気や怪我、体調不良から来る不安)

これらのストレスだけでは無く、

・科学的ストレス(タバコやアルコール、食品添加物からなる酸素や栄養素の欠乏、過剰)

・物理的ストレス(寒さや暑さ、騒音やOA機器の光などからなる環境刺激)

これらも、自覚症状を感じづらいながら心身にストレスを与えています。

 

強いストレスが蓄積されると、様々な症状として心身がサインを出してきます。

これらストレスが原因となるサインを見逃さず、上手にストレスの解消を図ることも、高尿酸血症の治療に於いて重要となります。

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高尿酸血症の治療に効果的! すぐに始められる食生活の改善

食事習慣の見直し、運動不足の改善、ストレスの緩和など、高尿酸血症には様々な生活習慣の見直しが必要となります。

ですが、忙しく働く社会人ほど高尿酸血症を発症しやすく、その治療とは言え、生活習慣を改善することは決して簡単ではありません。

そこで、高尿酸血症の治療、生活改善にあたって、まずお勧めしたいのが「水分補給」となります。

 

高尿酸血症や痛風の治療では、尿酸の排泄を促すために、水分の摂取を増やし、尿の排泄量を増やすことが最も重要となります。

尿の量が減れば尿酸の排泄も低下し、尿酸値も下がりづらくなります。

また、尿の量が少ないと、尿酸は溶けにくくなってしまい、溶けきらない尿酸は結晶化して尿路結石も併発してしまいます。

そこで重要となるのが、尿の排泄を増やす「水分の補給」となるのです。

 

健康状態にある人は、1日1~1.5リットルの尿を排泄しています。

ですが、高尿酸血症の場合、尿中の尿酸濃度を低下させる為に尿量は多い程良く、1日2リットル以上の排泄が望ましいとされています。

1日に2リットル以上の尿を排泄する為には、単純に考えても2リットル以上の水分補給が必要となります。

また、水分を補給したとしても、その全てが排泄される訳ではありませんし、特に夏場は汗などからも水分が放出されてしまいますが、尿酸は汗として排泄されない為、より多くの水分補給が必要となってきます。

 

以上の理由から水分補給の目安として、

・冬場・・1.5リットル~2リットル

・夏場・・2リットル~3リットル

の水分補給を心がけるだけでも、尿酸値の下降には多いに効果が見られています。

 

なお、補給に適している水分は

  • お茶(ノンカフェインのもの)

となります。

なお、アルコールには利尿作用があるものの、前述した通り尿酸の生成を促進させる為、尿量は増えますが効果はありません。

同じく、甘味の強い清涼飲料や果糖の多いジュースも、中性脂肪の合成や尿酸の増加に繋がる為、水分補給としてはお勧め出来ません。

水や、緑茶、ウーロン茶、麦茶などを中心に、こまめな水分補給を心がけましょう。

高尿酸血症を改善する為の体調管理法

定期的な体重の測定

高尿酸血症の患者さんに多く見られる要因の1つが、肥満となります。

日常的な食生活で、高脂肪・高カロリーな食事が続くことが高尿酸血症に繋がりますが、それと同時に肥満を併発する人も多く居ます。

 

一朝一夕で体重を落とせるものではありませんが、定期的に体重計に乗るだけで意識は変わります。

お風呂上がりや起床時など、毎日同じ、決めた時間に体重計へ乗る習慣を付けることで、体重の変化を意識する様になりますし、体重を気に掛けるようになると、無意識のうちに食べすぎや高カロリー食を敬遠するようにもなります。

 

ダイエットそのものは簡単じゃありませんが、「食べ過ぎない」様に意識するだけでも変化は出てきますので、まずは簡単にできる体重測定を習慣化してみましょう。

血圧検査

肥満同様、高尿酸血症と併発しやすいのが高血圧となります。

中性脂肪やLDLコレステロールの上昇が血圧の増加原因となるのですが、これらの要素は尿酸の排泄低下を引き起こす原因にも当てはます。

 

中長期的に高血圧の状態が続くと、生活習慣病の1つと見なされますし、血圧の上昇に伴い

・脳疾患

・心臓疾患

などの重篤な症状を引き起こす病気のリスクも高まってしまいます。

 

逆に、高血圧の原因である中性脂肪やLDLコレステロールの低下を意識すれば、高尿酸血症の治療にも繋がっていきます。

体重と同じく、定期的な血圧測定を行い意識付けをするだけで、血圧値は安定させることが出来ますので、毎日とは言わずも定期的な血圧検査を心がけてみましょう。

 

尿のpH(酸性度)チェック

高尿酸血症の度合いを自身で管理するにあたり、是非とも実践して欲しいのが尿のpH(ペーハー 酸性の意)チェックです。

健康状態にある人の尿は、pH6前後の弱酸性に保たれています。

対し、高尿酸血症時の尿は、pH6.5以下の酸性に傾きやすくなっていきます。

 

 

高尿酸血症の病型検査、痛風の検査方法と項目
痛風関節炎(痛風発作)かどうか、を判断する基準は、 ■ 突然足の親指に痛みが! 痛風の初期症状、部位をセルフチェック  ⇒ でも解説した通り、11ある診断項目のうち
2017-12-22 16:38

上記ページでも解説していますが、尿のpHが酸性に傾いてしまうと

・尿に尿酸が溶けづらくなり、血中尿酸値が上昇する(痛風発作を引き起こす)

・尿路で尿酸が結晶化すると、尿路結石も併発する

といったリスクが大きく高まってしまいます。

 

高尿酸血症を治療していく場合は、尿の酸性度をpH6.0~7.0の弱酸性に維持することが理想とされています。

尿の酸性度を測定する際には、市販の尿pH試験紙を使う事で簡単に測定できますので、体重、血圧同様に、定期的にチェックしていきましょう。

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