高尿酸血症は生活習慣病の1つと考えられており、発症する決定的な原因については特定されていません。
ですが、高尿酸血症を発症する可能性を持つ危険因子は、数多く判明しています。
それと同時に、性別や年齢などにより、痛風を発症しやすくなる危険因子も見つかっています。
本記事では、年齢、性別による高尿酸血症を発症するリスクや傾向についてまとめました。
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高尿酸血症を発症しやすい年代
一昔前まで、痛風と言えば中年の男性がかかる病気と考えられており、若い世代で高尿酸血症を患う人は多くありませんでした。
ですが、食生活の変化や対外的なストレスなどから、高尿酸血症を発症する年代の低年齢化が進んでおり、現代では高尿酸血症患者の中で最も多いのは30代~40代前半の男性となります。
対し、男性であっても60代から70代に差し掛かると、高尿酸血症のリスクは大幅に減少します。
これは加齢により、尿酸の産生が低下することや、免疫力が低下する(痛風発作は白血球による結晶化した尿酸への攻撃により起きます)ことが理由とされています。
また、尿酸値が思春期前に上昇することが無く、10代前半での高尿酸血症は殆ど見受けられません。
ただし、思春期を過ぎることで尿酸値は上昇していき、何かしらの危険因子が原因となり高尿酸血症状態になる事はあります。
高尿酸血症状態を長らく放置すれば、10代後半~20代であっても痛風発作を発症することはありますので、注意が必要です。
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痛風の発症率、男女比は9:1で圧倒的に男性に多い
高尿酸血症を発症する決定的な原因というのは未だ特定されていませんが、いくつかの危険因子を特定していく中で分ったことの1つに
「圧倒的に男性の方が掛かりやすい」ということが特定されています。
高尿酸血症の男女での比率を見ると9:1(データによっては99:1との説も)で男性患者が多く、その原因となるのが「女性ホルモン」にあります。
卵巣から分泌される女性ホルモンの1つに「エストロゲン」という物質があるのですが、エストロゲンには尿酸の排泄を促す作用があり、これが尿酸値の上昇を抑え、女性が高尿酸血症になりづらい要因と考えられています。
女性でも注意!閉経後は高尿酸血症を発症する可能性が3倍に!?
女性ホルモンの働きにより、女性は高尿酸血症になりづらいものの、閉経後は女性ホルモンの分泌が低下します。
女性ホルモンの分泌るが減ることにより、エストロゲンも低下する為、閉経を迎えた50代以降の女性はそれ以前と比べ、尿酸値が高くなる傾向があります。
各種データによると、閉経前の女性で高尿酸血症を発症する比率が1%に対し、閉経後には3倍に増加しているとの結果も出ています。
また、閉経以前であっても、男性同様に尿酸値が上がりやすい食生活や、仕事によるストレス、運動不足等を抱えることで、痛風を発症している女性もいます。
※ 歌手の華原朋美さんは、ストレスや暴飲暴食が原因で、30代の時に痛風を発症したこともあります
加えて女性の場合は、男性よりも低い尿酸値で痛風発作を発症するケースも多い為、標準値以下であるとしても油断しない様、心がけましょう。
また、女性が痛風と同様の症状を感じた場合、リウマチ等、痛風と似た他の病気を発症している可能性もあります。
参考:痛風・・じゃないかも? 痛風と良く似た病気・症状の見分け方と治療法 ⇒
リウマチの初期症状は、痛風ほど激しい痛みに襲われない為、放置してしまうケースもありますが、違和感を感じた際には早急に診断を受ける様にしましょう。
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