痛風の発作が治まったらやるべき事 痛風発作への備え 

あれだけ酷かった痛風なのに、3日も経てばスッカリ治まるって、本当ですね。
もうなんとも無くなったし、念のために病院にも行ったので、これで心配は無さそうです!
更に出来る様になったな、ガンダム。
しかし、痛風の恐怖を甘く見ないことだな。一度、痛風を経験した貴様は、これからも「再発」という十字架を背負って生きていくのだ。
せいぜい、プリン体に脅えて苦しむが良い!

馬鹿にして…! そうやって貴様は、永遠に他人を見下すことしかしないんだ!

そもそも痛風の直接的原因が、プリン体じゃないことだって、もう分っているんだからな。

お待ちなさい。
確かに痛風発作の症状は、これで一旦落ち着いたと言えるわ。でも、兄さんが言ったとおり、あなたはこれから「痛風発作の再発」を防がなければならないの。
その為には、痛風の根源となる「高尿酸血症」を本格的に治療していくことが必要なのよ。

朝起きて、突然の激痛から始まり、数日にわたる痛風発作からようやく解放。

これで一安心・・・だと、思ってやいませんか?

 

他の記事でもお話ししてきましたが、痛風発作が発症した原因は「高尿酸血症」。

痛風発作は、血中尿酸値が標準よりも高い「高尿酸血症」状態であったことで、体外に排出できず結晶化した尿酸を、白血球が攻撃する事で起きた、一時的な炎症に過ぎません。

つまり、痛風発作の源である「高尿酸血症」、すなわち尿酸値を標準値に戻し、キープしなければ痛風発作は必ず再発してしまいます。

 

本記事では、痛風発作が治まった後より始めるべき、「高尿酸血症」の治療流れについて解説していきます。

これらを参考にしつつ、高尿酸血症の治療をスタートし、痛風発作を再発させること無く、尿酸値の安定した体作りを始めて行きましょう。

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痛風発作が治まっても病院には行った方が良いの?

痛風治療は自宅、それとも病院? 痛風治療や検査って何をするの?
薬を飲んで一晩寝たら、足の痛みがだいぶ軽くなりました! 痛風の痛みは、24時間で治まるってホントだったんですね。 ところで・・・、痛みは殆ど無くなったので、これ
2017-11-13 21:01

上記記事でも触れましたが、例え痛風発作が治まったとしても病院への通院は必要です。

 

痛風発作が発症し、結晶化した尿酸が排出されたことで、現在の尿酸値は普段よりも下がっていますが、結晶化した尿酸は1つ(1箇所)とは限りません。

むしろ痛風発作を経験する人の大半が、炎症には至っていないだけで、体の関節周りには多くの尿酸が結晶化していると言われています。

 

痛風発作の引き金となっている尿酸も、関節周りで結晶化している分には、なんら害をなしません。

この結晶が、関節から剥がれ落ちることにより、それを異物と判断した白血球が攻撃を開始することで「痛風発作」の炎症が引き起こされるのです。

つまり、関節に付着し結晶化している尿酸を、白血球が攻撃を開始する前に排出させることができれば、痛風発作の再発を未然に防ぐことが可能となります。

 

その為には、医療機関で投薬される薬(最近は主にフェブリクが処方されます)を少しずつ服用し、尿酸値を下げていく事が主な治療となります。

また医療機関に通院することで、「コルヒチン」という薬も処方して貰えます。

コルヒチンは、白血球の活動を抑えることにより、痛風発作を未然に防ぐことが出来る優秀な薬となります。

これらの薬を飲みながら、尿酸値をコントロールしていくことが、高尿酸血症の治療スタートとなりますので、痛風発作が落ち着いたとしても必ず、お医者さんに通院しましょう。

高尿酸血症の治療 薬はいつまで飲む?

高尿酸血症の治療時に処方される薬には、

● フェブリク(尿酸値を下げる為の薬)

● コルヒチン(白血球の活動を抑え、痛風発作の再発を防ぐ薬)

の2種類が、最近の主流とされています。

 

上記はそれぞれ、1日1錠ずつの服用となるのですが、

● フェブリク

については、投薬初期から成分量の高い薬を飲むことが出来ません。

 

詳しくは、

高尿酸血症の主な薬一覧 副作用や症状ごとの使い分けについて
高尿酸血症の診断(尿酸値が7.0mg/dL以上)に加えて、 痛風発作の症状が出る 尿酸値が8.0を越え、且つ合併症がある 尿酸値が9.0を越える こ
2017-12-17 22:12

こちらで解説していますが、尿酸値を急激に下げてしまう事でも、痛風発作が再発するリスクを高めてしまうのです。

従って、まず投薬されるのは10mgなど、含有量の少ないものから始まり、徐々に成分量が高いものへと切り替えていきます。

 

投薬の期間は、症状の落ち着き具合によっても異なりますが、

● フェブリク ・・・ 2~3ヵ月(途中から成分量が変わります)

● コルヒチン ・・・ 1~2か月(万が一、違和感を感じた時にはいつでも服用可能)

くらいの期間が1つの目安となっていきます。

高尿酸血症を治す為の生活改善

薬の服用により、尿酸値はある程度コントロールしていくことが出来ますが、いつまでも薬に頼る訳にはいきません。

そもそも、何故尿酸値が高くなってしまったのか、その大半は生活習慣が原因とされています。

(一部、他の病気が原因となる場合もありますが、それについては別途解説を行います)

 

薬によって尿酸値が安定したとしても、痛風発症以前と同じ生活を続けていたら、尿酸値は再度上昇します。

再び高尿酸血症を発症すれば、いつまた痛風発作が起きたとしても不思議じゃありません。

つまり、高尿酸血症の原因となっている生活習慣の改善こそが、本当の意味での痛風治療と言えるのです。

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食生活の改善、見直し

痛風が「贅沢病」と呼ばれていた時代は、その原因がプリン体にあるとされており、プリン体の摂取を控えることが痛風治療、予防の最善策とされてきました。

ですが、研究の進んだ現代では、プリン体の摂取量を軽減することよりも、尿酸の排出を高める食生活こそが痛風治療に於いて重要であると見直されています。

 

では尿酸の排出を高める具体的な食生活についてですが、

・尿のpHをアルカリ性に近づける食材の摂取

・ビタミンCの摂取を増やす

・アルコールの摂取機会を減らす

などが挙げられます。

※ 詳しい説明は

尿酸値が上がる食生活 尿酸値が上昇する原因、食べ方とは?
高尿酸血症の原因の多くが、肥満にあるということは、肥満の予防・改善が高尿酸血症治療の基本となります。 肥満を予防、改善する対策として大きな役割を持つのは、やはり食生活の改
2018-02-09 22:17

こちらをご参考下さい

 

また、高尿酸血症の検査を行う際に、血液検査も行っているはずですので、同検査結果もしっかり確認しておきましょう。

尿酸値が標準より高い方の場合、尿酸値以外にも

・中性脂肪

・LDLコレステロール(通称悪玉コレステロール)

・γ-GTP

・血圧

・血糖値

などが正常値よりも高くなっている傾向が見られます。

 

上記の数値が高いことの多くは、高尿酸血症の原因にも繋がっていますし、また他の生活習慣病を発症するリスクも高まっています。

食生活を改善し、高尿酸血症を治療することは、他の生活習慣病を予防する事にも繋がりますので、日常的な食生活の見直しは極めて重要となります。

日常生活の改善、見直し

高尿酸血症を発症する人の傾向として、

・睡眠等が不規則になりがち、慢性的な睡眠不足

・ストレスの多い生活

・慢性的な運動不足

などの要素が共通しています。

 

ストレスや睡眠不足の多くは、仕事などの生活環境に左右される為、改善の難しい部分ではあります。

ですが、これらの兆候が体に不調をきたしている事に気付くことで、同生活の改善を意識する事は出来ますね。

 

また、運動不足を指摘され、筋トレ等を始めてしまう方が多くいますが、高尿酸血症の場合、筋トレの様な無酸素運動はお勧め出来ません。

詳しくは「尿酸値を下げる生活改善 ⇒」でも解説しますが、お勧めする運動は、軽めの有酸素運動となります。

空いた時間を利用したウォーキングやストレッチなどからでも十分ですので、激しい運動ではなく、軽い汗を掻く程度の有酸素運動から始めてみましょう。

高尿酸血症の治療期間は? 尿酸値はどれ位で安定する?

投薬による治療を続ける事によって、早い方なら3ヵ月前後、長い方でも半年程で、一旦は尿酸値を安定させることができます。

ですが、高尿酸血症を引き起こしている原因の多くは、食生活や生活習慣にあります。

薬によって尿酸値が安定したとしても、一度投薬を止めてしまえば、再び尿酸値が上がり、高尿酸血症や痛風発作を再発させてしまいます。

 

また、高尿酸血症には遺伝的要素も多く、一度でも発症経験がある方は、体質そのものが尿酸値が上がりやすい傾向にあるとも言われています。

投薬によって尿酸値を安定させることは可能であるにせよ、一度でも高尿酸血症を発症したのであれば、生涯そのリスクを意識する事が重要です。

 

とはいえ、高尿酸血症も一生続く病気ではありません。

痛風発作を発症する年齢層の多くは30~40代の男性とされており、50代を越えると発症率は大幅に下がります。

これは加齢に伴い、プリン体から排出される尿酸が下がる事が理由とされています。

 

50歳を過ぎれば安心、という訳ではありませんが、同年齢を越えることによって、高尿酸血症のリスクは大きく下がるのも事実です。

1か月2ヵ月で簡単に治療しようとは考えず、長い時間を掛けて、少しずつ食生活の改善を図っていくことが、最短の治療法と言えます。

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